「ゴクローサマです!!」
・がものすごくものすごくものすごく丁寧に頭を下げたので、僕はなんだかむしろ少しあわてながらいやいやいやそんな!!全然!!大した!!ことじゃ!!ないしね!!と言った。リーマスが、ねえ、と言ったのでそっちを見ると彼はにこりと微笑んだ。
「ジェームズ、エクスクラメーションマーク、多すぎ」(←タイトル)
ことのおこりはシリウスだ。シリウスが悪い。
「シリウスー」
「…」
「シリウス?」
「…」
「シリウスー!こんの色男!」
「…はあ」
「大丈夫かい?」
「…はは、悪ぃ悪ぃ」
「(きもー!!)」
ここ数日、シリウスはこんな感じだった。僕もいい加減あきらめてそんなシリウスを放置することにした。ちなみにリーマスはここ数日放置しっぱなしだ。僕が「シリウスが変だ」と言っても「うんそれはそうだね知ってました」と言って終わる。いや、まあそれはそうなんだけど。でも友人として大いにこの様子のおかしさは気になるところだ。リーマスだって気にしてないはずはない。シャイボーイめ。
部屋に戻るとリーマスはベッドに寝転んで本を見ていた。勉強しているのかと思って様子をうかがうと、本のタイトルは『世界のチョコレート〜最高級からゲテモノまで〜』だった。なんだか気をつかって損したような気分になったが、きっとそう言ったらリーマスはむしろこの本を読んでいるときのほうが気をつかえみたいなことを言うと思うから余計なことは言わない。本題だ本題。
「…リーマス、シリウスが本格的に変だ」
「わあーたーいへんだー」
「とりあえず顔上げない?」
「やだ」
「えっ、ジェームズ悲しいんだけど!」
僕が叫ぶと、リーマスは顔をあげた。自分のことを名前呼びする女性ってさあ、この世界のワースト3物品に入るよね、と爽やかに呟きながらだったけれど(物品…?)。まあ僕は女性じゃないから多分大丈夫。たぶん。
「ついに名前にも反応しないんだ」
「…ふうん」
「心配じゃないのかい?ムーニー」
「その呼び方をされると、どうにかしないといけない気になるじゃないか」
リーマスはくすくすと笑い、でも僕はそういう野暮なことはしたくないんだけどねえ君だってそうでしょ?と言う。(ちなみに手にはチョコレートブックを持ったままで読みかけのページに指を挟んだままだ)(でも顔をあげてる分だいぶましだ)
「やぼって何が?」
「……えっ(このひと気づいてなかったんだ)」
僕はリーマスがこんなに驚くのをたぶん初めて見た。(わお、貴重。)
「あの子」
そう言ってリーマスが指さしたのは栗色の髪にとこげ茶の眼をした人だった。美人?といえば美人な部類に入るんだろうな、とかまあ良く分からない品定めをしてみる(っていうかリリー以外の美しさとかは興味が無さ過ぎて最近判定不能だ。)。
「まあ…何がいいのか知らないけどシリウスはたぶんあの子に恋わずらいだよ」
「何がいいのか知らないって結構ひどいな君も!」
「えーだって(どうでもいいもん)(ごそごそ)」
「だってじゃないの(なんで本読みだすんだよ)」
「…何?あのひとって美人なの?」
「僕はリリー以外の美しさとかは興味が無さ過ぎて」
「あははジェームズなんて死んじゃえー」
「えええ激しいな…っていうかせめてこっち見ながら言ってくれ」
いい加減にその本から顔をあげてくれればいいと思う。(いやさっきはあげてたけど。でももう駄目なのか。くそ!僕はそんな小さなチョコレートブックにも劣ると!?)(聞いたらきっと笑顔でうなずくだろうからやめよう)
「りーまーすー」
「もう、なんなの?」
「(このこのー!この本めー!)そうだ!!!!」
僕のあまりの大声に、リーマスはうわ、と言って顔を上げる。リーマスの目線が僕の方を向いていることに満足しながら(ついに勝ちました!勝者ジェームズ・ポッター!)(敗者チョコレート・ブック!)僕はリーマスに提案を持ちかけた。
「さん」
「え?」
僕がそう笑顔で呼びかけると・(リーマスはいつのまにか名前まで調査済みだった)(やっぱりシャイボーイだ)は驚いた顔で振り返る。まわりにいた女の子たちがきゃーとかえーとか言っている。どうだ、みろよリーマス。そう思って振り返るとリーマスはどうでもよさそうに、はいはいわかったから、あ、エヴァンズさんだーと言った。
「嘘!?」
「うそ」
「…えっ、ていうか、あの。なんですか」
困り顔の・に、僕はとても得意な感じで言った。
「いや、キューピッドとか、いいかな、なんて!」
「意味分かんないよ」
「え…?ええええええ!?」
「あーほらーは分かってるじゃーん」
「わかってるんだ(ならいいや)僕、本に戻ってもいい?」
「本?」
「だめー!リーマスー!それはだめー!」
「だってジェームズは説明大変だからついてきてって言ったんじゃん…僕はやぼなことは嫌い…(っていうかめんどい…)」」
「(世界のチョコレート・ブック…?)(この本のこと?)」
「うんまあ、そうだけど(しゅん)」
僕がうなだれるとリーマスはくすりと笑って、ごめんねプロングス、と優しい声で言った。(それでこそリーマスだ!)
まあこんな感じで、・のキューピッドをすることになりました(たぶん。)(え、なれたのかな?)(まあなんとかなるだろ押せ押せ!)(たまにはひけよってよくシリウス(へたれのくせにたらし)に言われるけどそれは間違いだ。)僕は急いで彼女をワンオブザオウア秘密基地!に連れて行って、まあ恋文でも書けば、と勧めた。紙はここにあるから。対リリー標準装備だから。
「恋文ですかー」
「そうそう、恋文」
「あーじゃあ僕はシリウスが来ないかどうか見はっとく」
「あ、はい」
「リーマス!そんなこと言って君、逃げる気だろう!」
「ええ!?」
「うっそーなんでわかったの?」
「嘘!?本気!?」
うそうそ、と言いながらリーマスは僕と・の間に首を突っ込んで、まだ何も書かれていない紙を見つめた。僕と彼女もなんとなくリーマスの目線の先をじっと見る。
「なんていうかさ…」
「「?」」
「こう、普通の恋文はどうかと思うよね」
「は?どゆいみ?」
「そ、そうですねそれはちょっと無理」
「だよね」
「なんで?」
「は、恥ずかしいから?」
「ジェームズのような恥知らずは世にまれなんだよ」
「あ、なるほ…え?恥知らず?」
リーマスは羽ペンを取り出してさらさらと何かを書いた。僕と彼女はなんとなくだまってその動きを見つめる。
「ねえ、ほんとにあれでいいの?」
「…え?いいんじゃないの?リーマスが書いたんだよね」
「同意されると思わなくて」
「うん、僕も思わなかった」
「まあいっか」
「もっとこうさー、恋文ってさー、愛を語るものだろう!?」
「さあ(あ、本忘れた)」
「リーマス…(どうせまたあの本のこと考えてるんだろうこのやろ!次は何しようかなー)」
奥たちはフクロウ小屋に行って怠けてるフクロウをたたき起して、挑戦状…じゃないや、恋文を預けた。(フクロウがいたく不満そうだったのでちゃんと届けてくれるか不安だ。)部屋に戻ると・は不安そうな顔をして待っていて、僕らにとてもお礼を言った。僕たちはちょっと世間話、っていうかシリウスの話をしてから(リーマスはなぜかチョコレートの話に脱線しがちだった)、別れた。
「リーマス」
僕は数歩後ろを歩いているリーマスを振り返っていった。彼は、ん?と短く声をあげて夕焼けから視線をこっちに向ける。
「ごめんな、やぼなことさせて」
「ああなんだそれ?」
「今思えば…あんな勢いで…よかったのか」
「何それ、ジェームズからそんなセリフが出るなんてね」
「僕はシリウスをみかねたんだよ、いたずらとは違うのさ」
「そうだね」
リーマスはくつりと笑って、僕たちがシリウスの幸せを思ってやったことが、悪い結果になるわけないじゃない(君たちが僕を思ってしてくれることと、同じだよ。)、と言った。本当にその通りだと思った。ジェームズ・ポッターとしたことが!今日はあれだ、あまりにチョコレートブックと戦いすぎて少し疲れていただけさ。
僕たちが君のためを思ってやったことが、悪い結果になるわけないじゃないか!
(←サブタイトル)
070728 sin なるわけないし、なってもだれも責めないよ。だって、友達だもん。(でもあたしの文章の勢いで書いちゃってるぜ!感は誰か(えいこ)に責められても仕方ないですごめんなさい)