It was noticed that it was my first love. 「ジェームズ、妹と弟、出来るならどっちがいい?」 あの頃母は大きなお腹を擦りながら僕にそう言った。僕は母のくしゃくしゃの黒色の髪の毛を見つめながら、キラキラした瞳を向けながら言った。 「絶対弟!」 「あら、どうして?ジェームズ。」 「だって、妹だったら一緒にクィディッチ出来ないもん。」 「ジェームズ・・・。でも、妹は可愛いわよ?ふわふわだしぷにぷにだしころんころんだし」 「やだ!絶対弟!妹だったら僕面倒見ない!」 「じぇ、ジェームズ!」 母はその後、実は生まれてくるのは妹の可能性のほうが高いのだと告げることが出来ずに、ただ泣きじゃくる僕を抱きしめた。その後、無事に母は女の子を産むが、どうあっても妹を可愛がろうとしない僕に、父と母が真剣な顔をしてこう言った。 「ジェームズ、にお別れの挨拶をしなさい。」 「どうして。パパ、ママ。」 「はね、今から遠いところに行かなきゃいけなくなったの。」 「どうして?パパ、ママ。」 「ジェームズがを嫌うからよ。」 「どうして!パパ、ママ」 「はね、お兄ちゃんに嫌われてるのが耐えれなくて、遠いところに行かなきゃいけないの。」 「ごめんなさい、!ごめんなさい!大好きだから行かないで!これからいっぱい大好きするから!何処にも行かないで!」 父と母が打った芝居だとは当然気づかなかった、可愛く純粋で天使のようだった4歳の僕。3つ離れた妹を、それから目に入れても痛くないほど可愛がった。そしたら、本当に可愛くて仕方が無くなって、僕は妹が心底大事になってしまった。それからは毎日一緒に遊んだし、毎日傍に居た。 のも、僕が7歳になるまで。 僕が7歳のとき、父と母は離婚し、母は妹を連れゴドリック谷へと引っ越してしまった。3つ離れた妹は、その時4歳だった。4歳の時の妹は僕の袖を掴んで泣きじゃくったが、母に連れられて住み慣れた我が家を離れた。それから、母とも妹とも会うことが出来なかった。 *** 4年生になった僕は、いつもは四方八方に飛び跳ねまくっている髪に珍しく櫛をいれ、いつだって一緒に遊んでいる親友のシリウスに不気味がられるほどに気分を高ぶらせていた。高揚する身体を鎮めることが出来ずに、顔中に笑みを広げる。 在校生たちが集まった始業式の席。だだっ広いホールに並べられている4つのテーブル。その一番右端に、ジェームズたちは座っていた。いつもならこんな好機は無いと飛んで跳ねてはしゃいでガラスコップの一・二個木っ端微塵に粉砕していたっておかしくないのだ。そのジェームズが、ワクワクと体を揺らし頬を紅潮させているものの、きちんと椅子に座っていた。こんなのありえないと驚いた目で、グリフィンドールのみならず他の寮の生徒たちもジェームズを盗み見る。ピーターにいたっては、ホグワーツに戻ってきた気がしないと萎んでいた。 「新入生入場!」 フーチ先生の透き通った声が拡大魔法によって隅々まで響き渡った。マクゴナガル先生を先頭に、初々しい表情を浮かべた新入生たちが肩を寄せ合って入場してきた。 ジェームズはテーブルに手をついて、身を乗り出した。あの中にいるはずだ。キラキラとした瞳が、メガネの奥で光る。目的の人物を見つけると、ジェームズは往年のようにはしゃぎまわると、グリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールグリフィンドールと闇の魔術のようにぶつぶつと唱え続けていた。 *** ジェームズはここ最近ずっと心が春だった。それは、自分の記憶の中の母親そっくりの少女が入学してきたからである。 母の旧姓のままという事は、母は再婚をしていないのだろう。・とハッキリと魔法の帽子に呼ばれた少女の顔を、ジェームズはほくろの位置まで鮮明に思い出すことが出来た。 、、、。僕の、あぁ愛しの。僕の可愛い妖精。 ぽわわんと空を眺めてみた。そこに4歳の頃のがいる気がしてにこりと微笑んだ。しかし、実際にジェームズが笑みを向けたのは、眉間にこれ以上ないほど皺を寄せた親友だった。 「お前・・・最近キモすぎ。」 「何言ってるんだいシリウスくんははははは、僕がステキだって?やだなぁそんな。」 「まじ無理まじ無理まじ無理。」 シリウスは両腕を掴んで、ぶるぶると身震いをするとジェームズの頭を思いっきり殴った。 「目を覚ませ!」 「僕のこのランランに光り輝いたパッチリとした両の目が君には見えないのかい!?」 「俺には開いてるか開いてないかわかんないほど細い一重の目しか見えねえ。何妄想を自分に置き換えてるんだよ。」 「キィー!自分の目がパッチリ二重だからって馬鹿にしたなシリウスこのやろう!覚悟しろ!ラブラブビーム★」 「・・・・・・・・・・・リーマス、おい、リーマス!こいつ処分してくれ!!!」 「あ、無理。粗大ごみは月一回だから。」 「おいおい冗談はきついぜセニョール☆」 談話室のソファーを一つ陣取り、いつもの四人でワイワイと話していると、女子寮階段から一年生の団体が降りてきた。どうやら、すでにグループが出来ているようだ。 ジェームズはそれをいち早く察知すると、にもシリウス達にもばれないように何度か彼女を盗み見た。4歳の頃の面影を残しながらも、ステキな女の子に成長しているを見て、ジェームズは涙さえ零しそうになった。あんなに小さかった僕の!立派になって!気分はもう父親だ。 は女の子たちの中で一番光輝いていた。まるでダイアモンドの宝石だ。母親にも自分にもよく似たくるくるの跳ねた髪は彼女の魅力を更に引き出しているようだった。ジェームズは綻ぶ顔を誤魔化すように、シリウス達の話に乗っかった。 シリウスたちと話をしている間も、ジェームズの注意はに行っていた。だからこそ、気づいた。の視線が自分に向かっていることを。も自分と同じように、女生徒と話しながら何気ない風を装いながらこちらを盗み見ていた。周りを観察しながら生きていくことに慣れきっていた自分だから気づいた、小さな小さな視線。ジェームズは、自分の体がだんだんと固まっていってることに気づいた。 もし、が何も知らずに僕に恋をしてしまったらどうしよう。 は、4歳の頃の記憶の中の兄など覚えてもいないだろう。もし覚えていたとしても、14歳の自分と7歳の頃の自分が同一人物だったと判る可能性は低い。だとすれば、彼女は全く面識の無い、見ず知らずの自分に恋をしてしまうことになる。 それは大変だと、それは大変だと思った。しかも加えて、彼女は初恋だったりしたら、どうする!彼女は一生初恋の相手がお兄ちゃんだったと嘆きながら生きていかなければいけなくなる。そんなことあっていいのだろうかとジェームズは頭を抱えたくなった。しかも、あんなに可愛くて素敵で愛しい少女に、自分はその愛を返してやることは出来ないのだ。どうしたらいいんだ、ジェームズはついに蹲った。その様子を見たリーマスが慌ててジェームズの背を擦る。大丈夫、どこか調子が悪いの? 話に夢中だったシリウスも気づき、驚いてジェームズを見た。ソファーの上で蹲っているジェームズに、シリウスが声をかける。ピーターも同様に、ジェームズをじっと見つめた。 「な、なんでもないよ、ハハ。」 まさか自分の妄想に打ちのめされそうになっていたなんて言えない。 気を取り直そうと、ジェームズはずり下がってきたメガネを押し上げた。その時、ふっと甘い香りが漂ってきた。 「あ、あの。」 可愛らしい鈴のような声が聞こえた。ジェームズは驚いて顔を上げる。 シリウスは、またかと言う風にげんなりとした顔をした。ジェームズもシリウスもリーマスも、女生徒のこういう表情と声には慣れていたから。あと5秒もすればその小さく真ん丸な顔を赤らめ、裏庭か噴水かはたまた化学実験室に呼び出されるだろう。シリウスはそんな未来を想像していた。 「大丈夫です、か?」 シリウス達の声に、ジェームズの体調が悪くなったと思ったのだろう。はジェームズたちから2・3メートル離れたところから、そう声をかけた。 ジェームズはどう答えていいかわからずに体が固まる。!が僕に声をかけてくれた!喜びに体がはちきれそうになる。と同時に、彼女の気持ちに答えられない自分が悔しくなる。僕は、君の初恋の相手であるけれど、僕は君のその可愛らしい頬に唇を落とすことしか出来ないのだ。 「うん、大丈夫だよ。」 いつものポーカーフェイスでそう答える。ごく普通の、下級生に話しかける口調だった。 それで言葉を打ち切ろうとしていたジェームズに食い下がるように、が慌てて声をかけた。 「あ、あのっ。」 リーマスは驚いてを見た。シリウスは明らかに不機嫌な顔をしている。ピーターはいつもどおりの無表情な顔で、をじっと見てる。こら、見るな。惚れるなよ。 「お兄ちゃん、ですよ、ね?」 の可愛らしいベビーピンクの唇からころんと言葉が零れた。 拍子に、シリウスの表情が固まる。おいコラ、見るな。を見るな。惚れるな。可愛いのはわかってるんだから、惚れるなよ。 「覚えて、たの―――?」 「や、やっぱり!違ったらどうしようと思ってて。久しぶり、お兄ちゃん」 えへへと笑ったがやっぱり可愛くて、可愛すぎて、ジェームズはつい勢いあまってぎゅっと抱きしめてしまった。 It was noticed that it was my first love. は兄としての僕を意識していただけで、彼女の初恋の相手ではなかったけれど、君がもう少し大きくなったら伝えよう。僕の袖を掴む君のその小さな手を今すぐに引っ掴みたかった、僕の初恋の相手は君だったって。 End 【eiko:07'02'27】 その後両親は復縁し、仲良く暮らしていますとさ。(そうじゃないとあれだよ!5巻のシリウスの台詞に合わなくなっちゃう!笑) |